経営体制の変更を受け、経理・財務系システムを一新することが決定。 しかし、残された時間はたったの6ヵ月――。 そんな問題を解決したのは、 MajorFlowの基本パッケージにこだわったシンプル導入。 低コストで必要な機能を網羅し、BCP対策まで行えた理由とは。
■設立 / 1995年
■所在地 / 埼玉県川越市脇田本町6番地20
くぼたビル3F
■代表者 / 犬竹 一浩
■従業員数 / 386名(2015年6月現在)
■資本金 / 2億7079万円
株式会社日本アポックは、埼玉県を中心とする首都圏に40(2015年7月現在)の調剤薬局を展開する、東証一部上場アルフレッサグループの企業です。
地域の患者様に健康で豊かな日常生活をご提供するかかりつけ薬局として、「処方されたお薬を正しく、安全に患者様に服用していただけるよう配慮する」「患者様、地域の皆様の健康・介護相談に親身にお応えする」「処方せんを持たずとも、気軽に入っていただく」という3つの理念のもと調剤事業を行っています。
2015年3月、経営体制の変更を受け、経理・財務系システムを一新することになった日本アポック様。同社で製品選定から稼働に至る一連の導入を担当した管理部のキーマン、店舗サポート・システム担当の中村国博氏、財務担当の戸田忠弘氏にお話を伺いました。
移行期間はたった半年間コスト、他システム連携の制約も
従来のシステムでは、ワークフローは主に小口現金に関する承認・申請・レポート等の用途に活用しており、新システムにも同等の機能が必要でした。「当社の親会社となるアルフレッサホールディングスは上場企業ですので、経理をはじめ様々な面で内部統制に則った可視化が求められます。また、店舗をチェーン展開しているため拠点が多く、ワークフローによる可視化や一元化、効率化を図ることは大前提でした」と語るのは戸田氏です。 また、新システムのカットオーバーが2015年3月末ということは決定事項であり、1日たりとも遅れるわけにはいかない事情がありました。中村氏は、「約半年間で製品選定、マスタの整備、構築、テストをすべて終わらせなければなりません。それに加え、従来のシステムで行っていた業務が過不足なく実現すること、会計システムや固定資産管理など同時に導入するほかのシステムと連携できること、予算など様々な制約があり、新しいワークフロー選びのハードルは非常に高いものでした」と当時を振り返ります。 そして、様々な要件を加味して厳しい選定を行った結果、最終的に選ばれたワークフロー製品がMajorFlowでした。
業務の見直しを行いつつ、半年間という短期間導入を実現
半年間という短期間での導入実現した背景にはMajorFlowのパッケージとしての高い完成度があげられます。
中村氏によると、10月に導入を開始し、既存システムからのマスタ移行の準備が完結したのが12月末、マスタの取り込みと設定を終えたのが翌2月上旬、その後のチェックと社員教育を行い、予定期日となる3月末には無事稼働開始となりました。
同社では、小口現金はレジの売上金から振替伝票を利用して立て替え、後日補充するといった方法をとっています。
MajorFlowには振替伝票をはじめ、様々なシチュエーションに対応出来るできる細やかな機能があらかじめ搭載されていたため、基本パッケージのままで導入することができました。
とはいえ、実際のオペレーションについては、MajorFlowに合わせて変更した部分もあります。
「システムを完全に自社流にカスタマイズするとコストも時間もかかります。現状の業務にパッケージをあてはめるのか、またはパッケージに業務をあわせるのかと考えましたが、今回は特に導入基幹が短かったこともあり、業務をできるだけMajorFlowに合わせる方向で検討しました。しかし、自社独自の業務といっても単に習慣的に行っているだけで、それほどこだわらる必要のないものも多いのです。そして、今回の導入がかえってそうした業務を見直すいい機会になったという側面もありますね。その結果、費用を抑えることができました」(戸田氏)。
サーバは自社で保有せずにクラウドに
BCP対策としてバックアップも
同社の従来のシステムが親会社に設置されたサーバ上で稼働しており、リモートデスクトップでアクセスして利用していました。
しかし新しいシステムは自社で運用することが決まっており、サーバをどこに設置するかという点も検討すべきことの1つでした。
「自分たちでを運用するとなると、誰がサーバーを管理するのかという問題が出てきます。
管理部では財務、総務、人事、情報システムなど幅広く業務を担当しており皆多忙です。
そこでいっそサーバを保有しないという選択を行いました。
サーバ購入の初期費用と月額の利用料金を比べると、一見購入の方が安価に感じられますが、それを運用する人件費など”見えないコスト”や、もっと長い目で見たときのサーバー老朽化の問題などを考慮すると、やはり当社の現状にはクラウドがマッチすると感じました」(中村氏)
従来は、店舗が増えるたびにリモートアクセスツールのライセンスコストなどが増えていく点が悩みの種だったとのことですが、どの店舗からもクラウド環境にアクセスできる体制を整えた結果、それも回収しています
また自社内に設備を持たないことは、BCP対策の観点からも有効です。
同社では今回の導入と同時に、Majorflowバックアップリストアサービスにも申込み、いざというときに備える体制も整えました。
滑り出しは上々今後はフォーム作成も行いたい
実際に運用を開始する前には、システムを利用する社員のためにWeb会議で研修会を開いたり、操作画面の動画キャプチャしたマニュアルを作成・配布するなど教育も万全に行ったという中村氏。
「今回が初めてのワークフローシステムというわけではありませんので、各店舗の社員たちもすんなり馴染んでくれたようです。
かつて新規導入した時ほどの混乱もなくスムーズな滑り出しです。」
現在システムの稼働開始から約3ヶ月。
「従来のシステムは自社で運用していたわけではありませんので、カスタマイズなど自由がききませんでした。足りない部分は紙の申請書を作るなどして何とか補完してきたという経緯があります。これからはMajorFlowのフォームデザイナを使って必要な申請書を自分で作ることもできますので、小口現金精算だけでなく、人事系、営業系の申請など様々な業務にワークフロー活用したいと考えています(戸田氏)