株式会社松屋

https://www.matsuya.com/ginza/

ペーパレス、電帳法対応、テレワーク―
変化し続ける百貨店のビジネスを強力に支援

株式会社松屋

会計システム「SuperStream」の更改に合わせて、それまでスクラッチでアドオンしていた伝票入力システムを「MAJOR FLOW Z CLOUD」へ刷新。かねてからの課題であったペーパレス化を実現すると共に、電子帳簿保存法やインボイス制度にも備えました。

松屋ロゴ

設 立/1869(明治2)年11月3日

資本金/7,132百万円

従業員数/581人

代表取締役 社長執行役員/秋田正紀

事業所/
銀座店 東京都中央区銀座3丁目6番1号

売上高/59,461百万円

※企業情報は2022年9月時点のものです。

創業は1869(明治2)年、銀座本店を中心に長年親しまれてきた東京有数の百貨店です。150年という長い歴史の中で、常にお 客様のライフスタイルに合わせて革新を重ねながら成長を遂げてきました。「デザインの松屋」として、1950年代よりデザインの啓蒙活動「グッドデザイン運動」をサポート。近年は、「GINZA GOOD ANSWERS」をコンセプトに、お客様の暮らしに寄り添い、新たな価値を提供し続けています。

株式会社松屋では、会計システムの更改にともない、経費精算システムとして「MAJOR FLOW Z CLOUD」を選択されました。今回の導入で中心的な役割を果たしたのは、同社デジタル化推進部の佐藤洋一氏と林憲一郎氏。お二人に、その背景や効果などを詳しくお伺いしました。 佐藤氏は移行プロジェクト全体を統括、林氏は現場の経理部の意向をとりまとめ、ITと実務をつなぐために尽力されました。

ペーパレス促進やコロナ禍への対応、
様々な要因が背景に

株式会社松屋
デジタル化推進部
担当部長 兼 システム課長
佐藤 洋一 氏

同社では、ペーパレス化の推進が以前から重要な課題でした。林氏はその状況について、次のように説明しています。「従来はとにかく帳票の量が多く煩雑でした。1つの申請に対して2枚の帳票が出力される仕組みになっており、それに請求書も添付した上で、担当者、上長、経理部と手渡しするのです。経費精算だけでも、毎月処理される帳票の量は約4,000枚(2,000件)。それらは部署ごとに管理しており、保管コストも問題になっていました」(林氏)。
「それに加えてコロナ禍です。働き方の多様化は従来から検討していましたが、ビジネスの中心に店舗がある以上、テレワーク化は簡単ではありません。しかし、感染対策となると喫緊を要します。少しでもリスクを低減するために、可能な範囲で導入を始めました。このような中で、押印を必要とする旧来の紙ベースの運用には限界があります。クラウド化して柔軟にシステムを活用できる環境を作ることも目標の1つでした」(佐藤氏)。
ペーパレス化の課題に加えて、既存システムの更改時期というタイミング、働き方改革の推進、コロナ禍への対応……、改革の背景には様々な要因がありました。

会計システムとの連携性、
実績の多さに注目


株式会社松屋
デジタル化推進部
システム課 ITインフラチーム
マネージャー(課長補佐)
林 憲一郎 氏
同社のシステムの歴史は長く、かつてのメインフレームに始まり、連綿と資産を受け継いできました。2000年代にはいち早くオープン化を進め、会計システムに「SuperStream」を採用しています。当時、伝票入力に関しては追加アドオン開発を行い、既存メインフレームの使い勝手を再現していました。
今回の導入は、既存システムの更改のタイミングに合わせた刷新です。「MAJOR FLOW Z CLOUD」は、「SuperStream」のアライアンス製品であるという安心感と、連携実績の多さから選ばれました。
システム選定時には、柔軟性と堅牢性のバランスを考えたと佐藤氏は語ります。「変化に強いシステムが求められています。例えば情報系ならば、クラウドサービスなどからニーズに合ったものを取捨選択し、“合わせ技”の効果が出るように、柔軟に全体を組み立てていきます。一方で、企業の極めて重要な部分である“決算”を担う会計系のシステムでは、安定性や堅牢性を重視しました。トラブルなく移行し、運用をしっかり軌道に乗せるためにも、アドオン代替システムには会計システムとの高い連携性を求めました」。
既存システムはスクラッチで作り込んだ独自性の高いもので、汎用的なクラウドサービスへの移行には不安もありました。「選定時には複数のクラウドサービスを比較しましたが、融通が利かないものばかりという印象でしたね。その点『MAJOR FLOW Z CLOUD』は、サービスでありながら振替伝票が標準で用意されています。また汎用マクロを取り入れることで、既存のアドオンに近い入力制御をカスタマイズなしに実現できました。これなら自分たちの要望に近いものができるという印象でした」(佐藤氏)。
「スクラッチからサービスへの移行ということで、やはり不安はありました。新旧システム間の使い勝手の差異を埋めるために、経理部にはユーザーの立場からの意見をもらい、大いに協力してもらいました。おかげよりよい導入ができたと自負しています」(林氏)。

ペーパレス化という大きな成果
環境やBCPの観点からも満足

ペーパレスについては、ほぼ狙い通りの効果が出ています。「振替伝票の紙出力は概ねなくすことができました。現状、小口現金など一部に紙の帳票を残してはいますが、今後、経費精算全体としてもゼロ化できるよう、さらなる削減を目指していきます」(林氏)。
「環境配慮の観点からも、ペーパレスはなくてはならない取り組みです。また、クラウド化したことも意義としては大きいですね。今後も緊急事態宣言が発令されるような事態を常に想定しなければなりませんから、申請・承認などに関連する業務はクラウド化が好ましいでしょう。いざという時の備えとして、BCPの観点からも有効な取り組みでした」(佐藤氏)。

電子帳簿保存法、インボイス制度を
見据えた、納得のいく導入に

今後の施策として考えているのは、電子帳簿保存法、インボイス制度への対応です。「現在はまだ過渡期ですが、各省庁の動きもよく見極め、来期以降の取り組みとして進めていきます。これまでに、ペーパレス化、印鑑の廃止など、着々と電子化を進めてきました。これらの取り組みは、もちろん先々の法制度への対応も見込んでのこと。新制度が完全に動き出したら、さらに『MAJOR FLOW Z CLOUD』の導入メリットを強く実感できるようになるはずです」(佐藤氏)。
最後に、今回の導入についての感想を伺いました。
「ビジネスの要となる会計システムの刷新は、当社としても一大プロジェクトでしたが、納得のいく導入が実現したと考えています」(林氏)。
「今回、私たちだけでなく、パナソニックネットソリューションズの担当者も一丸となって、共に創意工夫しながらプロジェクトを進めました。双方がそれぞれよい仕事をした結果、満足いくシステムにつながったと実感しています」(佐藤氏)。

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